インターネット調査から読み解く、無二のインバータ・サーボ用ケーブル

2026/05/29

  • LAPP

ケーメックスAT テックプラス編集部

こんにちは。弊社ではドイツのFA製品を中心に輸入販売していますが、その中でもFA系ケーブル類は優れたものが多いです。本日はLAPP社の新しいサーボドライブ、インバータ用ケーブル(サーボケーブル/インバータケーブル)を従来品と比較しながらご紹介していきたいと思います。また、これまであまり踏み込んでこなかった国内他社製品との比較もAIを活用しながらわかりやすく解説していきます。どうぞ最後までお付き合いください。

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目次

サーボを回すとビジョンカメラが瞬断する
ノイズはインバータからやってくる
ノイズへ抗う3つのポイント
競合他社をインターネット調査してみました
コモンモードノイズをゼロへ
電磁気的に対称、新しい心線の撚り方

サーボを回すとビジョンカメラが瞬断する

今回深掘りしていくケーブルはEMCノイズ(電磁ノイズ)に強い、というのが大きな特徴です。ノイズが大きいと2つの問題が起こります、発生源の機械で動作不良が起こる、と発生源の周りの機械で動作不良が起こる、です。筆者が聞いてきたお困り事としては、単体では問題ないが加工現場で複数の機械を運転すると問題が起きるというものです。特に、サーボを回すと、や溶接機を動かすと、センサー類やシリアル通信不良、PLCのエラー、ビジョンカメラの瞬断が起こるというものです。

ノイズはインバータからやってくる

では、なぜサーボを回すとノイズが発生するのでしょうか。以前EMCノイズについての記事を書きましたが(https://www.kmecs-automation.jp/techplus/detail_135.htm)、ノイズは電磁気学で説明できます。電流の周りには磁界が発生します(アンペアの法則)、同時に、磁界が変化する度に誘導電流が発生してしまいます。つまり端的に言うと、電気のオンオフを繰り返すとノイズが発生するということです。これをまさに体現しているのがPWM制御のインバータやサーボアンプで、サーボモータの駆動装置ということになります。

ノイズへ抗う3つのポイント

さて、可変周波数ドライブ(VFD)を諸悪の権化のような書き方をしてしまいましたが、インバータやサーボドライブは非常に優れた技術で現代の機械に無くてはならないものです。そこで、ノイズを抑えながら機器を最大限活用するためのケーブルをご紹介していきたいと思います。対ノイズ性能を計る上で大切な3つのポイントがあります。1つ目は、遮蔽性(シールド性能/シールドケーブル性能)、2つ目は低キャパシタンス素材(低静電容量)、3つ目が撚り線構造です。

競合他社をインターネット調査してみました

評価は筆者の目利き公開情報および筆者調査によるものなので、悪しからずご参照ください。
情報はインターネットでの検索結果および公開スペック比較ということもあり、まだまだ隠し玉があるかもしれません。しかしAIに頼りつつ実際に検索していて思ったことは、LAPP社の製品開発に対する熱意が凄いということでした。少なくとも現時点で全く同じようなものは他に見当たりませんでした。ケーブルについての情報量が多いこともLAPP社の良いところだと改めて感じました。

ポイント① ポイント② ポイント③
シールド性能 低キャンパスシート素材 撚り線構造
D社 600V 電源線 AWM 2501 あり PVC/ PVC × 線心円形
T社 600V シールド付電源線 AWM 2586 あり TPE/ PVC × 線心円形
F社 600V JIS規格CV-Sケーブル なし × XLPE/ PVC 線心円形
N社 1000V シールド付ロボットケーブル AWM 2586 あり PVC/ PVC × 線心円形
K社 600V JIS規格VCTケーブル あり PVC/ PVC × 線心円形
I社 1000V シールド付可動ケーブル AWM 10989 あり TPE/ PUR 線心円形
LAPP社 1000V OLFLEX SERVO FD zeroCM あり PP/PUR 非対称

※ポイント2は[絶縁体/外皮]の順で記載 ※ポイント3は4心のみ比較

コモンモードノイズをゼロへ

それでは、新製品「OLFLEX SERVO FD zeroCM」(以下、zeroCM)についてポイントを押さえて訴求していきたいと思います。製品名にも掲げているようにノイズの原因になるコモンモードノイズやEMCノイズを低減するように設計されており、前述した3つのポイントを完全網羅したケーブルになっています。そして、兎にも角にもこの製品の最大の特徴は3番目のポイントであった心線の撚り構造、を新たに開発し最適化したことにあります。

電磁気的に対称、新しい心線の撚り方

実際に筆者がケーブルを分解して確認したところ、A部[三本撚り線(三相三線)]とB部[保護アース線]に分かれており、A部とB部がさらに2本撚り線の状態になっていました。
これにより、120度ずつ位相がズレた三相交流を電気的に対称にし、磁界を打ち消し合って相互インダクタンス(不要な誘導ノイズ)を減らすように工夫されています。実際にIEC 61800-3に基づいてLAPP社の4製品のインバータ出力の漏れ電流測定を行ったグラフを見ると、zeroCMが標準ケーブルに比べて70%近く低減されたことがわかります。

インバータやサーボアンプを使用する装置では、EMCノイズ対策やシールド性能がシステム全体の安定稼働に大きく影響します。特にビジョンシステムや高速通信を併用する現場では、ケーブル選定そのものが重要なノイズ対策の一つになります。

ここまでお読み頂きありがとうございました。
神出鬼没のノイズは目に見えないものなので、エンジニアの悩みの種ですよね。次回は具体的なアプリケーションにも触れながらさらに深掘りしていきたいと思います。お楽しみに。

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