【EMCセミナー・サポート記事その1】EMC対策とLAPP製品ケーブルについて解説!

2020/11/11

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増田 将吾

そもそもEMCとは何? EMC対策が求められる理由と背景は?

こんにちは、先ごろ弊社のEMCセミナーで講師を務めた技術部の増田です。おかげさまで本セミナーには、130名もの方々にご参加をいただきました。あらためて御礼を申し上げます。今回から3回にわたり、本セミナーでお伝えしきれなかったことなども含めて、サポート記事を掲載させていただきます。

さて第1回目は、EMCに関わる規格や法規関係の話です。それに加えて、弊社の関連商品についてもご紹介させていただきます。

最近は電子デバイスが増え、ノイズが発生する環境が多くなっています。一般的にノイズというと、外部から飛んできて影響を与えるイメージがありますが、逆に自身がノイズの発生源になってしまうこともあります。

前者を「EMI」(Electromagnetic Interference、通称エミッション)と呼び、後者を「EMS」(Electromagnetic Susceptibility、通称イミュニティ)と呼んでいます。つまり「EMC」(Electromagnetic Compatibility)対策とは、ノイズを出さないようにする、ノイズを受けても影響がないようにするという両対策を打つという話で、電磁両立性と訳されているのです【★図1】。


【★図1】


こういったノイズが発生すると、機器が誤動作を起こしたり、思わぬ事故や障害につながる恐れがあるため、ノイズ対策は製品利用における安全性という点で、エンジニアにとって非常に重要なポイントになります。そのため、さまざまな規格が制定されています。

IEC、EN、JISで定められたノイズにまつわる規格をザックリと紹介

さまざまな規格を策定する団体というと、国際電気標準会議・IECや、欧州調和規格(EN規格)としてCEN(欧州標準化委員会)/ CENELEC(欧州電気標準化委員会)/ETSI(欧州通信規格協会)、国内では日本工業規格・JISなどがあります【★図2】。

【★図2】

まずIECについては、IEC総会の下に標準管理評議会があり、指導的な立場の電磁両立性諮問委員会・ACECに、TC77(技術委員会)やCISPR(国際無線障害特別委員会)が置かれ、ノイズまわりの規格を決めています。さらにTC77配下の分科会・SC(Sub Committee)で、低周波現象、高周波現象、高電磁界過渡現象など、細分化された議論が行われています【★図3】。

【★図3】

EMC規格の種類は、用語や電磁環境の分類など一般事項に関する「基本規格」(IEC61000-1~60000-5、CISPR-16)、特定製品に該当しない場合に適用される「共通規格」、特定製品に関する「製品規格」があり、試験方法や要求事項が定められています【★図4】。


【★図4】

次に欧州(EU)の法規を見てみましょう。2014年に「EMC指令」(2014/30/EU)が発行され、ここで機器を構成する装置(完成品)が適用範囲になっています。EMC指令については先に触れたとおり、EMIとEMSがあり、この2つを両立させる必要があります【★図5】。

【★図5】

また、EMC指令は「CE」マークの対象にもなっています。CEマークは、製品をEU加盟国へ輸出する際に、安全基準条件を満たすことを証明するマークです。CEマークがないと製品を輸出できない(自己責任原則)ので、製品輸出国は注意が必要です。

なお、国際規格を取る際に、規格によっては試験が重複する場合があります。無駄な試験をしないように、輸入国(受入国)の承認を取れる「IECEE CB制度」もあります【★図6】。


【★図6】

LAPP社のケーブル関連のEMC対策はどうなっているのか?

さて、ここからは弊社が取り扱うEMC対策ソリューションの中から、筆者オススメのLAPP社製品についてご紹介しましょう。

・配線用単芯シールド線 LiYCY・Li2YCY
単芯のシールド線というのは珍しいです。こちら0.14sqから2.5sqまでラインナップがあり低キャパシタンスのEMC対策品です。LiYCYは編組シールドで、ケーブル外径を細くしたいという方には包括シールドのLi2YCYがオススメです。【★図10】

【★図10】

・可動用ツイストペア線 UNITRONIC® FD CP (TP) plus
こちらはケーブルドラッグチェーンに入れて使える可動用のツイストペアケーブルになります。0.14sqから1.0sqのツイストペアが最大14対のシールドケーブルです。最大の特徴はCMXのULリステッド品なので北米輸出に最適です。【★図11】

【★図11】



・ロボット用シールド線 OLFLEX® ROBOT 900 DP
捻転に500万回以上耐えられるロボット用のシールドケーブルになります。編組シールドだと捻りの動きには弱いのですが、こちらのケーブルはシールド線の向きを揃えてあるので捻りに強い構造になっています。絶縁体TPE、外皮PURで耐油性も抜群です。【★図12】


【★図12】



・サーボモータ用動力線 OLFLEX® SERVO 2YSLCY-JB
ウェビナーでもお話しましたが、インバータからモータのケーブルは非常にEMCを気にする必要があります。また想定以上の高電圧に耐えられる必要もあります。LAPP社はサーボケーブルを得意としていますが、こちらはさらに3+3バージョンという、通常の3心+アース線ではなく、3心+3心アース線という構造でより電磁界を打ち消しやすい構造に工夫されています。【★図13】

【★図13】



LAPP社なら、ケーブルグランドやコネクタのEMC対策も万全!

次はケーブルグランドのEMC対策です。LAPP社製品の特長として、CEやUL、特殊なところではDNV-GL(Det Norske Veritas Germanischer Lloyd.:ノルウェー/ドイツ船級協会の規格)といった多数の規格を取得している点が挙げられます。

・シールド付きケーブルグランド SKINTOP® MS-SC
IP68等級で組立て簡単なシールド付きケーブルグランドです。Mネジ、PGネジ、NPTネジに対応。食品向け規格FDAやIP69K対応のハイスペック品もラインナップしています。【★図14】

【★図14】


・ケーブルグランドアクセサリ SKINTOP® BRUSH ADD-ON

SKINTOP BRUSHは360°シールドの理想的なEMC対策ケーブルグランドです。こちら防爆ATEX対応品もラインナップしています。また、通常の樹脂製グランドと組み合わせて使用できるアドオンは必見です。【★図15】

【★図15】


・ケーブルグランド用ロックナット SKINDICHT® SM-PE

制御盤に塗装など絶縁層があるとノイズがアースにされにくくなってしまいます。こちらのロックナットは締め付けの過程で、四隅の凸構造で塗装をガリガリと削ってくれます。Mネジ、PGネジ、NPTネジに対応しているのでこれだけでも採用の価値ありです。【★図16】

【★図16】


・シールド付きコンジットコネクタ兼グランド SILVYN® MSK-M BRUSH

EMC対策のコンジットチューブとシールド付きのコネクタ兼グランドです。簡単取り付けでIP68を確保できます。【★図17】

【★図17】

・産業用角型コネクタ EPIC® ULTRA

マシンニングセンターなどの工作機械に用いられる産業用角型コネクターの360°シールドEMC対策品です。IP65、NEMA 250, UL50E:タイプ12, 4, 4Xが確保でき、北米輸出に最適です。【★図18】


【★図18】


次回は、EMCの第二回目(理論編)です。お楽しみに。



お問い合わせ

増田 将吾プロダクトマネージャー

主にMurrplastikやBinderを担当しています。
ヨーロッパの優れた製品を幅広く皆様にご紹介していきたいです。
週末にはボルダリングジムに通って汗を流しています。
仕事もプライベートも、高い壁を越えた時の達成感は格別です。

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