ケーブルグランド基本の基本(後編)~これで解決! 事例で学ぶ最適なケーブルグランドの選択法
2022/04/04
- セミナーサポート
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前編では、ケーブルグランドの基本知識と選定のポイントについて学びました。今回は弊社で取り扱っている具体的な製品と、それらを利用してお困りごとや課題を解決した具体的な事例について紹介しましょう。
【目次】
LAPP社のケーブルグランドの種類と特徴、およびメリット
困りごとや課題を解決! 5つの事例で学ぶ最適なケーブルグランドの選択法とは?
■課題① 制御盤が大きくて、ロックナットの取り付けが一人では難しい!
■課題② 食品機械で丸洗いに対応できるケーブルグランドが欲しい!
■課題③ シールドケーブルの処理に手間と時間がかかっていた
■課題④ ケーブルグランドが密の状態で、本体に取り付ける作業ができない!
■課題⑤ ハーネス済のケーブルを制御盤内に取り込みたい!
LAPP社のケーブルグランドの種類と特徴、およびメリット
LAPP社のケーブルグランドには、その材質によって、樹脂製/金属製/ステンレス製があり、関連製品としてロックナットが不要なワンタッチ取り付けタイプや、ケーブル屈曲時の断線を防止する保護機能を備えたパーツなどを用意しています。
そのほかにも、複数のケーブル使用時に併用する各種シールや、シールド処理、穴埋めキャップなどもあります。
LAPP社のケーブルグランドのラインアップ。前半で説明した選定ポイントから、使用場所に最適な合った製品を選ぶとよい。
樹脂タイプは最も一般的なもので、ケーブル適合径がワイドな点が差別化のポイントになります。取り付けにはMG/PG/NPT/PFネジを取り揃えています。
金属製は耐熱性という点で、-70℃という低温で使用できる製品があります。さらにステンレス製は錆びにくく、汚れが付きにくい設計(角がない)のため、食品業界向けに適しています。
LAPP社のケーブルグランドで代表的な製品といえば「SKINTOP STシリーズ」でしょう。その最大の特徴は、業界最大のケーブル適合径にあります。
M16サイズで他社と比較した場合、STシリーズは4~10mmと他3社よりも適用範囲が広いのです【★写真2】。
少ない種類でカバーできるため、品番管理がラクになり、調達部門で誤発注や製造部門で誤使用のリスクが抑えられます。
LAPP社の「SKINTOP STシリーズ」は業界最大のケーブル適合径なので、品番管理がラクになり、調達部門や製造部門でのミスが低減される。
困りごとや課題を解決! 5つの事例で学ぶ最適なケーブルグランドの選択法とは?
さて、ここからは具体的な課題と、その解決策としての事例について紹介しましょう。
課題① 制御盤が大きくて、ロックナットの取り付けが一人では難しい!
システムの制御盤はサイズもまちまち。場合によっては。筐体サイズが大きくて、ケーブルグランドの取り付けが大変という声も聞かれます。従来であれば一人が筐体とケーブルグランドを持ち、もう一人が背部からロックナットを締めることになります。しかし2人がかりでは、作業工数がかかりすぎてしまうという課題があります。
【解決策】背面ロックナットが不要な「SKINTOP CLICK」を導入!
そこで、某企業ではLAPP社の「SKINTOP CLICK」を採用しました。
SKINTOP CLICKは名前の通り、取り付けたい筐体の穴に本体を押し込むだけで取り付けられます。
背面側はツメがあり引っ掛って取れない構造になっており、前面ナットで簡単に締め上げて固定できます。
背面ロックナットが不要になり、取り付けが一人で行えるため、結果的に人件費が抑えられ、トータルコストの低減に成功したそうです。
ケーブルグランドを選定する際は、製品単価だけでなく、作業工数も考慮した方がよいという事例になります。
課題② 食品機械で丸洗いに対応できるケーブルグランドが欲しい!
某社では食品機械を洗剤で丸洗いしていましたが、金属製のケーブルグランドでは錆びついてしまい、衛生面や安全面で問題が発生するという懸念がありました。
【解決策】ステンレス製の「SKINTOP HYGIENIC」を導入!
そこでLAPP社の「SKINTOP HYGIENIC」を導入しました。
この製品は、ステンレス製で錆びつかないだけでなく、全体的に丸みを帯びた凹凸の少ないデザインなので、汚れやカスが付着しにくいという特徴もあります。
さらに洗浄・消毒分野の業界標準であるECOLAB社の洗浄薬品試験の実績もあり、信頼性にも優れています。
保護構造はIP68-10bar、あるいはIP69で、温度範囲は-20℃~+100℃に対応。
なお本体パーツのパッキンやOリングの色がブルーになっており、万一食品に破片などが混入しても、すぐに見分けられるように配慮されています。
課題③ シールドケーブルの処理に手間と時間がかかっていた
某企業では、ケーブルからシールド線を引き出して、線を撚って接地用の端子を取り付け、線にテープを巻くという一般的なシールド処理を施していました。しかし、この方法は面倒なので、手慣れた作業者でないと時間が掛かってしまいます。ところが、この作業者が退職してしまったため、手軽にシールド処理が可能な方法を探すことになりました。
【解決策】「SKINTOP BRUSH ADD-ON」で誰でも簡単にシールド処理が可能!
そこで、ケーブルグランドのロックナットに金属ブラシが付いた、LAPP社の「SKINTOP BRUSH ADD-ON」を導入しました。
あらかじめケーブルのシールド部を一部だけ剥いておき、ロックナットを締めるとシールド部と金属ブラシが接触して、筐体への接地作業が完了します。
作業者を問わずに簡単に処理ができ効率がアップしたそうです。
課題④ ケーブルグランドが密の状態で、本体に取り付ける作業ができない!
制御盤の筐体などにケーブルグランドを取り付ける場合、レンチなどの工具を使って締め付けることになります。
その際にケーブルグランドが狭いスペースに密に並んでいると、レンチが入らずに取り付けに苦労することがあります。
某社では、ケーブルグランドと工具の干渉を避けて取り付けられる方法を探していました。
【解決策】専用レンチセット「SKINMATIC QUICK Set1」を利用する!
そこで、LAPP社の取付け用Mネジレンチセットを使って、非常に狭い空間でもケーブルグランドを取り付けられるようにしました。
このレンチはオープンラッチシステムを採用しており、簡単かつ安全に操作できるだけでなく、トルク管理が可能なタイプも用意しています【★写真3】。
LAPP社の専用レンチセット「SKINMATIC QUICK Set1」。非常に狭い空間でもケーブルグランドを取り付けられる。
課題⑤ ハーネス済のケーブルを制御盤内に取り込みたい!
ハーネス済(コネクタ付き)のケーブルでは、ケーブル断線などで交換したいときに、ハーネス部が引っ掛かって、筐体の穴から制御盤に出し入れができません。
そこでケーブルの片方だけ未処理のまま穴に挿入し、後からハーネスを取り付けるという手順を踏む必要があり、非常に手間がかかっていました。
【解決策】ケーブルエントリーシステム「KDLシリーズ」を使う!
そこで某企業では、ハーネス済のケーブルでも制御盤内に簡単に引き込めるMurrplastik社のケーブルエントリーシステムを利用して、この課題を解決しました。
このケーブルエントリーシステムは、システム本体とフレームとグロメットで構成されています。
まずエントリーシステム本体を嵌め込む筐体の穴に、まとめてハーネス済みケーブルを通したのち、システム本体の各穴に各ケーブルを入れて、スリットの入ったグロメットに挟んで、本体の穴に嵌め込みます。
あとは前面からフレームを取り付ければ作業は完了です。
グロメットの適用ケーブル径は2mmから30mmまで、ASIケーブルにも対応します。場合によっては、ケーブルグランドより簡単で、省スペースで済むケースもあります。
Murrplastik社のケーブルエントリーシステムには、ハーネス付と無しのケーブルに対応する多様な製品があります。
防爆雰囲気で使える製品や、食品機械に対応するステンレス製なども用意しています【★写真4】。
MurrPlastik社のケーブルエントリーシステム。ハーネス処理がされたケーブルを使用したい場合に非常に便利。
なお弊社では、今回ご紹介したLAPP社のケーブルグランドについて、サンプルボックスの貸し出しをスタートしました【★写真5】。
LAPP社で人気のある25種類のケーブルグランドがセットになったサンプルボックス。ご検討の方は、ぜひ弊社までご連絡を!
LAPP社のなかでも特に人気のある25種類のケーブルグランドに加え、プレゼント品6種類も入っています。
ご希望の方は、弊社インサイドセールス部(insidesales@kmecs-automation.jp)まで、ご連絡いただければ幸いです。
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