【Murrelektronik】次世代IO-Linkマスタ「pure.IO」が実現する工場DX ── IO-Linkのデイジーチェーン接続が可能に

2026/03/30

  • Murrelektronik

ニランカ・ゾイサ/Nilanka De Zoysa

製造現場のデジタル化(DX)が加速する中、現場データの収集を担う「IO-Link」が大きな進化を遂げようとしています。

これまで「1対1接続」が常識とされてきたIO-Linkですが、IO-Linkマスタのポート拡張機能に加え、IO-Linkハブのデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続を可能にする次世代仕様が登場しました。本記事では、従来の課題を解決するIO-Link 2.0のアーキテクチャと、その可能性をいち早く具現化したMurrelektronik(ムルエレクトロニク)の次世代IO-Linkマスタ「pure.IO」の特長を解説します。

目次

従来IO-Linkが抱えていた「配線とコスト」の課題
IO-Link 2.0で実現される進化とアーキテクチャ
次世代IO-Linkマスタ「pure.IO── 接続の可能性を広げる唯一の選択肢
主な仕様:IO-Linkを次のレベルへ
導入がもたらす圧倒的なメリット(経営・運用面)
Pure.IOが活躍するターゲット業界
電源仕様・環境耐性・通信プロトコル
迷わず決まる!「Pure.IO」選定の2ステップと仕様一覧
「Pure.IO」製品選定マトリクス(仕様一覧表)
選定に迷ったら?
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お急ぎの方へ:「pure.IO」の特長と仕様が1枚でわかる!システム構成の検討に役立つ製品チラシ はこちら↓

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従来IO-Linkが抱えていた「配線とコスト」の課題

従来のIO-Linkは「ポイント・ツー・ポイント接続(1対1)」を前提としていました。IO-Linkハブを使用する場合でも、1つのIO-Linkポートに対して接続できるデバイスは1台のみに限られており、IO-Linkマスタのポート自体を拡張することはできないという制約がありました。

その結果、現場では以下のような課題が発生していました。

マスタ台数の増加:デバイス数(センサやアクチュエータ)の増加に伴い、高価なマスタの台数も増やさざるを得ない。

配線の複雑化:制御盤内や装置周りのケーブルが密集し、取り回しが困難になる。

コストと工数の増大: ハードウェア費用に加え、配線工数や設定(コンフィグレーション)の手間が増える。

図1:従来IO-Linkの制約

IO-Link 2.0で実現される進化とアーキテクチャ

こうした課題を根本から解決するのが、IO-Link 2.0の新しいアーキテクチャです。

1. IO-Linkハブのデイジーチェーン接続

デジタルI/Oを集約するハブ同士を連結(デイジーチェーン)することで、大量のI/O点数を効率的に、かつ少ないポート消費で取り込むことが可能になります。 

2. IO-Linkマスタのポート拡張

より多くのIO-Linkデバイスの接続を可能にし、用途や設置場所に応じた極めて柔軟なシステム構成を実現します。

図2:IO-Link 2.0で実現される進化

さらに、この進化は現場に以下の副次的メリットをもたらします。

•圧倒的なコスト削減: IO-Linkマスタ自体の台数を大幅に削減することによるハードウェアコストの低減。

•コンフィグレーション工数の削減: 設定対象となるマスタ数(IPアドレス数)の減少によるエンジニアリング工数の短縮。

•究極の省スペース・省配線: 盤内や装置周りのレイアウトを最適化

次世代IO-Linkマスタ「pure.IO」── 接続の可能性を広げる唯一の選択肢

現時点で、IO-Linkハブのデイジーチェーン接続に対応した製品は、Murrelektronikの次世代IO-Linkマスタ「pure.IO」が唯一の存在となっています(図3)。

同社はIO-Linkスタック開発企業をグループ内に有しており、その強力な技術連携により、IO-Link 2.0の最新仕様動向にいち早く対応した製品開発を実現しています。

pure.IOの主な特長

マルチプロトコル対応:PROFINET、EtherNet/IP、EtherCATに1台で対応可能。

柔軟な拡張性:IO-Link I/Oモジュールに拡張ポートを搭載し、デイジーチェーン接続を実現。

革新的な診断機能(特許取得): 各ポートのLEDに加え、コーナーLEDにより360°の視認性を確保。現場での迅速なトラブルシューティングに貢献。

サステナブルな設計: 超コンパクトかつ軽量で、環境にも配慮した筐体。

図3:次世代IO-Linkマスタ「pure.IO」の特長

主な仕様:IO-Linkを次のレベルへ

ポート損失なしで接続範囲を拡大し、現場に最大限の柔軟性を提供します。

完全なデイジーチェーン:電源・フィールドバス・IO-Linkすべてのデイジーチェーン接続に対応。

大容量I/O:1マスタあたり最大256 I/Oに対応。

広範囲カバー: IO-Link拡張ポートにより、最大接続長40m(2×20m)をカバー。

プラグ&プレイ: 複雑な設定やパラメータ入力は不要。

図4: デイジーチェーン接続の物理レイアウト例

導入がもたらす圧倒的なメリット(経営・運用面)

デイジーチェーン接続とマスタの拡張は、単なる物理的な配線削減にとどまらず、経営・運用の両面で大きなリターンをもたらします。


メリット項目

具体的な内容

コスト削減

IO-Linkマスタ自体の必要台数を削減でき、ハードウェアコストを大幅に抑制できる。

工数削減

設定(コンフィグレーション)対象となるマスタのIPアドレス数が減り、立ち上げ工数を短縮できる。

設置の自由度

複雑な配線の取り回しが不要となり、装置の小型化や分散設置が容易になる。

メンテナンス性

断線検知や予兆保全データを一括管理でき、ダウンタイムの最小化に貢献する。

pure.IOが活躍するターゲット業界

省配線と高度な診断機能が求められる、以下の業界・アプリケーションに最適です。

搬送・物流機械:長距離のコンベアラインに沿った分散配置。

包装機械:多点数のセンサ・バルブの効率的な集約。

半導体製造装置: クリーンルーム内での省スペース・省配線化。

工作機械:過酷な環境下での堅牢な診断と、ノイズに強いデジタル通信。

電源仕様・環境耐性・通信プロトコル

項目

仕様・値 / 詳細機能

動作電圧 (US / UA)

定格 DC 24 V (範囲: 18 30 V)

IO-Link 動作電圧範囲

20.3 30 V

I/O 接続コネクタ

M12 Aコード (5ピン)

給電コネクタ

M12 Lコード (5ピン)

動作周囲温度 / 湿度

-5 +55 °C / 95%以下

保護等級

IP65

PROFINET

Conformance Class C, 100 Mbit/s, IRT対応

EtherNet/IP

10/100 Mbit/s, DLR (Beacon-based) 対応

EtherCAT

100 Mbit/s, AoE/CoE/EoE/FoE対応

迷わず決まる!「pure.IO」選定の2ステップと仕様一覧

「pure.IO」は、PROFINET、EtherNet/IP、EtherCATに1台で対応する「マルチプロトコル仕様」です。そのため、通信プロトコルごとの煩わしい型式選定は不要です。以下の2つのステップだけで、最適なモデルが導き出せます。

選定ステップ

【STEP 1】 機器の役割(接続位置)を選ぶ
まずは、ネットワークの「親」となるか、拡張用の「子」となるかを選択します。

  • PLCなど上位ネットワークに直接接続する
     → 【IO-Linkマスタ】 を選択
  • マスタのポートを拡張し、デイジーチェーン(数珠つなぎ)でデバイスを増設する
     → 【IO-Link I/Oモジュール(ハブ)】 を選択

【STEP 2】 必要な電源仕様(コネクタ)を選ぶ
次に、接続するデバイスの消費電力や、現場の配線ルールに合わせて電源コネクタを選択します。

  • アクチュエータ等の駆動用に大電流(最大16A)を流したい / さらに省配線化したい
     →  【M12 L-コード仕様】 を選択
    一般的なセンサ用途(最大4A)で十分 / 既存のAコードケーブルを流用したい
     →  【M12 A-コード仕様】 を選択

「pure.IO」製品選定マトリクス(仕様一覧表)

上記ステップで選んだ組み合わせをもとに、以下の表から詳細な仕様をご確認いただけます。

【IO-Linkマスタ】

製品タイプ 電源コネクタ 最大電流 通信/接続仕様 IO-Linkポート数 特徴・おすすめの用途
IO-Linkマスタ M12 Lコード(5ピン) 16 A マルチプロトコル
(PROFINET, EtherNet/IP, EtherCAT選択可能)
8ポート
(Class A/B自動切換え)
【新規導入のスタンダード】
大電流を活かし、マスタからハブへの電源のデイジーチェーンに最適。
IO-Linkマスタ M12 Aコード
(5ピン)
4 A 同上 同上 【既存環境の置き換え】
従来のAコードケーブルを活かしつつ、マスタ機能を最新化したい場合。

【IO-Link拡張ポートモジュール】

製品タイプ

IO-Link拡張ポート
(デイジーチェーン用マスタ拡張ポート)
IO-Linkポート数 特徴・おすすめの用途
IO-Linkマスタ拡張モジュール あり 8ポート(Class A) IO-Linkのデイジーチェーンをしたい場合
IO-Linkマスタ拡張モジュール なし

8ポート(Class A)

IO-Linkマスタを8ポートだけ拡張したい場合

※全モデル共通仕様:保護等級 IP65 / 動作温度 -5 ~ +55 °C / WebUI対応 / IoTプロトコル(REST API & MQTT)対応

選定に迷ったら?

貴社の装置レイアウトやI/O点数に応じた「最適な構成」を専任エンジニアがご提案します。無駄のない配線プランの作成もサポートいたしますので、お気軽に図面や構想をお寄せください。

さらに詳しい情報・技術資料をご希望の方へ

「pure.IO」を活用した具体的なシステム構成のご相談や、詳細な技術仕様については、各種資料をご用意しております。配線工数の削減や工場DX化に向けた第一歩として、ぜひお役立てください。

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詳細なデータシート・技術的なお問い合わせ

自社装置への組み込み検討や仕様に関するご質問は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

[お問い合わせ先 /info@kmecs-automation.jp

 

(執筆・監修:Nilanka De Zoysa / 2026年3月26日更新)

お問い合わせ

ニランカ・ゾイサ/Nilanka De Zoysa

Murrelektronik社のプロダクトマネージャーを担当。
リモートIO、IO-Link、省配線などのご案件でお客様と日々やり取りをしています。
スリランカ出身ですが、日本在住歴は長く、日本語検定のN1を取得しています。
弊社の社員よりも日本語が堪能だと言われることもあります。
Murrelektronik社に関することは何でもお聞きください。

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