ミューティングセンサが不要に!Leuze「SPG」が実現する次世代の安全対策と導入メリット

2026/02/16

  • Leuze

砂川 裕樹

工場の自動化ラインや物流センターにおいて、安全の確保と生産性の維持を両立させるために欠かせないのが「ミューティング」という技術です。
通常、安全装置であるセーフティライトカーテンは、光を遮るものがあればそれが「人」であれ「物」であれ、即座に機械を停止させます。しかし、これでは搬送される製品(ワーク)が通るたびにラインが止まってしまい、仕事になりません。
そこで、「いま通過しているのは人ではなく荷物だ」と判断したときだけ、一時的にライトカーテンの機能を無効化する仕組みが必要になります。その判断を行うための「目」の役割を果たすのが、ミューティングセンサです。

ミューティングセンサとは

ライトカーテンの仕組み

ミューティングを理解するために、まずはベースとなるライトカーテンの仕組みをおさらいしましょう。
ライトカーテンは、目に見えない赤外線のビームで「光の壁」を作るセンサーです。 細長い棒状の「投光器」から対面にある「受光器」へ向かって、何本もの光軸を高速でスキャンするように飛ばしています。
人間がこの光の壁に手を入れたり、足を踏み入れたりして光軸を1本でも遮ると、受光器が瞬時にそれを検知します。すると、ライトカーテンから機械の制御盤へ「停止信号」が送られ、作業者が怪我をする前に機械を安全にストップさせるのです。

ミューティングセンサの役割

ライトカーテンが「何かが通ったら止める」という役割なのに対し、ミューティングセンサの役割は「通っているものが何かを見極める」ことにあります。
一般的には、ライトカーテンの手前と奥に複数の光電センサなどを設置します。これらのセンサが特定の順番やタイミングで遮られたとき、システムは「これは正当なワークが流れてきたサインだ」と認識します。
この「見極め」が成功している間だけ、ライトカーテンは一時的に休止状態(ミューティング状態)に入り、荷物は止まることなく安全柵の中を通過できるようになります。
つまり、ミューティングセンサは「安全」と「効率」を仕分けるためのゲートキーパーのような存在なのです。

ミューティングセンサのデメリット

現場の安全を守りながら、かつ効率を落とさないためにも重要な役割を担っているミューティングセンサですが、ミューティングセンサを使用することで、現場では様々な課題が生まれています。

設置スペースの制約とライン設計の複雑化

ミューティングセンサは通常、ライトカーテンの前後(手前と奥)に配置するため、センサ用のアームや取付金具がコンベアから大きく突き出してしまいます。
これによりライン全体の設置面積が拡大し、特にスペースの限られた倉庫(イントラロジスティクス)や狭い既存ラインへの導入が困難な場合があります。

頻発する「チョコ停」とメンテナンス負担の増大

ミューティングセンサは、荷物の衝突、振動、あるいは作業者の接触によって光軸がズレやすいという弱点があります。
わずかな位置ズレでも「ミューティング失敗」と判断され、ラインが頻繁に停止(チョコ停)する原因となります。
そのたびにセンサの再調整や清掃、破損時の交換が必要となり、保全担当者の工数を圧迫します。

不正操作(無効化)による安全性の低下

外部センサ方式は、センサをテープで塞ぐなどの物理的な方法で容易に「荷物が通過中である」とシステムを欺けてしまうリスク(タンパリング)があります。
意図的な安全機能の無効化を防ぎきれない点は、現場の安全管理における大きな懸念事項です。

部材コストと配線・施工工数の増大

ミューティングセンサ本体に加え、専用の接続ケーブル、取付用ブラケットなど、多くの追加部材が必要です。これらに伴う部品代だけでなく、配線引き回しや位置出しといった施工工数も増えるため、初期導入コスト(CAPEX)を押し上げる要因となります。

荷姿のばらつきによる搬送エラー

パレット上の荷物に隙間があったり、形状が不揃いだったりする場合、外部センサがその隙間を「ワークの通過完了」と誤認識してしまうことがあります。この誤認識によりミューティングが意図せず解除され、ライトカーテンが作動してラインが緊急停止してしまうため、不安定な荷姿の搬送には不向きでした。

今回ご紹介製品
詳細は下記資料からダウンロード頂けます

資料ダウンロードはこちら

ミューティングセンサ不要のセーフティライトカーテン

Leuze(ロイツェ)のセーフティライトカーテン「MLC 530 SPG (Smart Process Gating)」は、従来のミューティングセンサが不要で導入することができます。

ミューティングセンサが不要になる原理

Leuzeの「Smart Process Gating (SPG)」は、外部センサに頼るのではなく、「PLC(制御装置)からの制御信号」と「ライトカーテン自体の遮光情報」を組み合わせることで安全を担保します。
具体的には、搬送ラインの制御を司るPLCが「いまからワークが通過する」というタイミング信号(ゲーティング信号)をライトカーテンに送ります。
ライトカーテンはその信号を受け取った直後に自身の光軸が遮断されると、「正当なワークが通過した」と判断してゲーティング(ミューティング)を開始します。
つまり、「センサというハードウェアの目」の代わりに、「プロセスのタイミングを知っているシステム(PLC)の情報」を利用して安全機能を制御するのがSPGの原理です。

導入による具体的なメリット

設置スペースの最小化と設計の自由度向上

最大のメリットは、コンベアの脇から突き出していたセンサ用アームや取付金具が完全に不要になることです。
これにより、コンベアラインを極限までコンパクトに設計できるようになります。
特に、1センチの余裕が重要となるイントラロジスティクス(社内物流)の現場や、スペースの制約から安全対策を諦めていた既存ラインへの後付けにおいて、これまでにない柔軟なレイアウトを実現します。

「チョコ停」の撲滅による設備稼働率の最大化

物理的なミューティングセンサが存在しないため、荷物の接触や振動による「センサの光軸ズレ」という概念そのものがなくなります。
現場で頻発していた、センサの誤検知による意図しないライン停止(チョコ停)を根本から撲滅できるため、設備全体の稼働率が劇的に向上します。
清掃や再調整といったメンテナンス業務からも解放され、保全スタッフはより生産的な業務に集中できるようになります。

不正操作(タンパリング)を許さない高い安全性

外部センサ方式では、センサをテープで塞ぐなどの物理的な処置で安全機能を無効化できてしまうリスクがありました。
しかしSPGは、PLC内部のシーケンス制御とライトカーテンが密接に連動して動作します。
システム側で「正しいプロセス」を管理しているため、意図的な無効化が極めて困難になり、現場の安全コンプライアンスをより強固なものへと引き上げます。

導入コストと工数の大幅な圧縮

ミューティングセンサ本体、専用ケーブル、複雑な取付ブラケットといった部材コストをまとめて削減できます。
それだけでなく、これらを配線し、一つひとつ位置を調整する膨大な作業工数も不要になります。
初期投資を抑えつつ、短期間でのライン立ち上げが可能になるため、トータルコスト(TCO)の観点でも非常に優れた投資対効果を発揮します。

荷姿のばらつきに左右されない安定搬送

パレット上の荷物に隙間があったり、形状が不揃いだったりする場合、従来のセンサ方式では「ワークの通過完了」と誤認して急停止を招くことがありました。
SPGはPLCからの信号で制御期間を管理するため、ライトカーテンの光軸に一時的な隙間が生じても、安定してミューティング状態を維持できます。
これにより、ラップ巻きのムラや不規則な積載物であっても、ストレスのないスムーズな搬送が可能になります。

Leuze「MLC 530 SPG」

製品選び方

導入をご検討の際は、以下の型番構成をご確認ください。設置環境に合わせた最適な仕様をお選びいただけます。

型番の構成例

製品の型番は、主に「光軸ピッチ(解像度)」と「検出高さ」の組み合わせで決まります。
シリーズ名   光軸ピッチ(□□)    検出高さ(〇〇〇〇)
MLC 530 SPG  □□ mm      〇〇〇〇 mm

仕様の選択肢

項目 入力値 概要
光軸ピッチ(□□) 2桁の数字 14㎜(指検知・高精度)
30㎜(手検知・標準)
40/90㎜(体検知など)
検出高さ(○○○○) 3~4桁の数字 150㎜~3000㎜の範囲で、搬送物の大きさに合わせて選択可能

まとめ

「安全対策はコストがかかり、生産性を下げるもの」という時代は終わりました。
これからの自動化ラインには、スマートなロジックで安全と効率を両立させるSmart Process Gating(SPG)という選択肢が、新たなスタンダードとなるでしょう。
現在のラインでミューティングセンサの調整に苦労されている方、あるいは新設ラインのコンパクト化を目指している方は、ぜひ一度LeuzeのMLC 530 SPGを検討してみてはいかがでしょうか。

さらに詳しい情報をお求めの方は、下記お問い合わせよりご連絡ください。

今回ご紹介した製品
詳細は下記資料からダウンロード頂けます

資料ダウンロードはこちら

お問い合わせ

砂川 裕樹プロダクトマネージャー

Murrelektronikのエキスパートになるべく奮闘しています。
お客様の問題点の解決や要望に応えられるよう日々勉強中です。
学生時代から鹿島アントラーズの熱狂的ファンでチームが勝つべく毎週全力応援。
時には残念な結果に終わることもありますが、敗戦をお客様の機械配線のご相談に引きずらないようオンオフの切り替えをしっかりしております。

関連カテゴリ

新着記事

戻る