ロボットに使われるケーブル保護システムを学ぼう! その3 ~産業用ロボットに必須のキットとは? 

2022/07/11

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  • Murrplastik

増田 将吾

前回は協調用ロボットの概況と、そのロボットに欠かせないケーブル保護システムについて解説しました。
今回も引き続き、汎用的な産業用ロボットを対象とした保護システムについて学んでいきましょう。


【目次】
協調用ロボットの概況と、有用な周辺機器のバリエーション
MurrPlastik社の産業用ロボット用ケーブル保護システム


協調用ロボットの概況と、有用な周辺機器のバリエーション

まず産業用ロボットのトレンドについて簡単に触れたいと思います。
第1回目でご説明したとおり、日本は1980年代から産業用ロボット大国として、溶接/塗装/仕上/組立/マテハンなど多岐にわたる用途で、様々なロボットを開発してきました。

産業用ロボットというと、自動車メーカーで大活躍してきたイメージですが、最近は自動車産業のみならず、電気・電子分野や、食品・医療品・三品産業の伸びも期待されています。
特に食品については、2025年には3300憶円に市場規模が伸びると予想している調査もあります。

そのような状況で、近年はAIの進歩によってよりスマートにバラ積みピッキングが可能な産業用ロボットが登場したり、力覚フィードバック制御、あるいはコンプライアンス制御によって、従来なら把持しづらかった物まで移動できるようになってきました。

一方、垂直多関節/直角座標型(スカラー型)といった構造がシンプルなロボットも大手ロボットメーカーが販売を拡充しています。
その背景には、中国やASAEN向けの電子部品実装用として、これらのロボットのニーズが高まっていることが挙げられます。

またスマートファクトリーにおける自動化の流れの中で、同じメーカーでロボットを統一しようとする際に、メーカーがスカラー型ロボットだけ取り扱っていないとユーザーニーズに応えられないことから、大手でもスカラー型ロボットを拡充し、トータルソリューションとして提供する傾向があるということです。

MurrPlastik社の産業用ロボット用ケーブル保護システム

さて、ここからが本題です。
前回は協調用ロボット周辺機器の1つ、MurrPlastik社のケーブル保護システム「Robotic-Kit for cable protection」について紹介しました。
もちろん今回の産業用ロボットにも、同様のコンセプトの製品が用意されています。

たとえば、協調用で紹介したスプリング式のケーブル保護システムと同様のものに「R-Tecボックス」があります【★写真1】。
こちらもコンジットチューブをホルダーに固定し、マジックテープやベースプレートを利用してアームに取り付ける方法は基本的に同じです。
R-Tecボックスは、伸縮長270/400/600mmのタイプを選択できます。

MurrPlastik社の産業ロボット用ケーブル保護システム「R-Tecボックス」。スプリング式で伸縮長270/400/600mmを用意。

R-Tecボックスのように、すべてのコンジットチューブをアームに這わせないで、途中の関節部からリニアに引き伸ばして使う「R-Tecリニア」という保護システムも用意されています【写真2】。
こちらは伸縮長さが260~550mmに対応しています。

関節部からコンジットをリニアに引き伸ばして使う「R-Tecリニア」。伸縮長さは260~550mmに対応している。

これらに加えて、コンジットチューブ固定用ホルダや、コンジット保護プロテクタ、アーム先端に付けるテンションクランプなどのアクセサリも用意されています。
ちなみにコンジットチューブは蛇腹のようなヒダ状で、柔軟性によって複数のシリーズがあります。ロボットの用途によって最適なものを選べます【★写真3】。

コンジットチューブ固定用ホルダや、コンジット保護プロテクタ、アーム先端に付けるテンションクランプなどのアクセサリも。

最後にファナックの産業用ロボットに本製品(R-Tecリニア、スプリングシステム)を取り付けたイメージをご紹介します【★写真4】【★写真5】。
ぜひロボットを長く使用いただくためにも、MurrPlastik社のロボット用ケーブル保護システムをご検討ください。

ファナックの産業用ロボットにケーブル保護システムを取り付けたケーススタディ。実際に現物を見ると、よりイメージが湧くでしょう。

 

とはいえ、どんな保護システムを利用してよいのか、初めは分からないことも多いかもしれません。
その際は、ぜひ弊社の営業や技術担当までご相談いただければ、最適なシステムを選定させていただきます。

今回ご紹介した「ケーブル保護システム」の
製品詳細・型番は下記資料からダウンロード頂けます

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増田 将吾プロダクトマネージャー

主にMurrplastikやBinderを担当しています。
ヨーロッパの優れた製品を幅広く皆様にご紹介していきたいです。
週末にはボルダリングジムに通って汗を流しています。

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