【ケーブルセミナー・サポート記事その1】 ケーブル基礎の基礎! 自社に最適なケーブル選定の秘訣を徹底解説
2021/09/03
- セミナーサポート
- LAPP
増田 将吾
ケーブル選定で押えたい3つのツボを伝授!
今回は、ケーブル基礎の基礎についてコンパクトに解説します。地味に思えるケーブルも、実は奥が深いことが分かるでしょう。
まずケーブル選定の際の基礎知識として、「法令・規格」「用途・使用環境」「定格値・敷設条件」という3つを押さえましょう。
法令・規格ですが、機械製品を輸出する場合には、世界の国・地域によって適切な認証ケーブルを選ぶ必要があります。
そうしないと、せっかく輸出した製品が使えないことになりますので、十分に注意しましょう。
日本では「JIS規格」がスタンダードですが、お隣の中国では「CCCマーク」、ロシアでは「EACマーク」や、火災安全証明の「Fire Protectionマーク」があります。
環境規制の厳しいヨーロッパでは、EU圏を中心に「CEマーク」「EN規格」「RoHS」、ドイツでは「VDEマーク」が求められます(EU圏としてCEマークで通用することも多いようです)。北米は「UL規格」や「NFPA」のほか、食品業界向けに「ECOLABマーク」などがあり、カナダは「CSA規格」が輸出時に必要になります。
ケーブル選定のツボその1。ケーブルを含む製品を海外に輸出する場合には、事前にその国にあった規格を調べて、適合するものを採用するようにしたい。
2つ目は、用途・環境によりケーブルの仕様も変わるため、業界に合った製品を選ぶことが大切ということです。産業機械、食品機械、建機、ロボット、自動車、鉄道、エネルギー発電など、業界によっても要求される性能やスペックも、かなり異なってきますので、注意が必要です。
ケーブル選定のツボその2。ケーブルを使用するときの用途(電力、制御、通信など)や機械によっても、要求される性能や仕様が異なるので十分に注意する必要がある。
たとえば、ロボットのようにハンドリングによって、捻じれが生じるような部分では、捻転性が求められますし、自動車工場の塗装ラインでは、ケーブルに対する防爆性も必要になるでしょう。
昨今では、どの業界においても難燃性が特に重要視されます。たとえば、船舶や鉄道など密閉された空間で火災が起きると、乗員が逃げられず命に関わるため、燃えても有害な煙が出にくいハロゲンフリー素材が求められています。業界・業種によって、用途に合った性能や特性を洗い出してから、ケーブルを選定するようにしましょう。
3つ目の定格値・敷設条件ですが、どのようなケーブルにおいても、電圧・電流などの基本スペックにおいて、適正に使用するための定格値が設定されています。ただし、定格値は常に一定というわけではありません。通電状態や高温での使用など、ケーブルの敷設条件や周囲環境などによっても、その値が変わってくるので注意しましょう。
たとえば敷設条件において、ケーブルをダクトに入れたり、複数本を束ねて使用したりすることもあるでしょう。その際には、使用する周囲温度なども配慮していく必要があります。
ケーブル選定のツボその3。ケーブルを使う際には、定格値を超えないようにすることは当然だが、その際に環境や敷設条件によっても変化するため、配慮が求められることも。
今回は自社に最適なケーブルを選定する上で絶対に押さえておきたい3つのツボについて解説しました。次回からは、弊社で取り扱っているLAPP社のケーブルを例にして、カタログの読み方と、知っておきたい重要スペックの意味、さらに具体的なケーブル製品の特徴までを紹介していきたいと思います。お楽しみに!
増田 将吾プロダクトマネージャー
主にMurrplastikやBinderを担当しています。
ヨーロッパの優れた製品を幅広く皆様にご紹介していきたいです。
週末にはボルダリングジムに通って汗を流しています。
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