従来の金属センシングの難問を解決~CONTRINEX社の高機能な近接センサの威力を紹介!(その1)

2021/03/10

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ニランカ・ゾイサ

さまざまな分野で利用される磁気誘導式の近接センサ

はじめまして。東京営業所のプロダクトマネージャ-のニランカ・ゾイサと申します。今回から数回にわたって、金属を検出する近接センサに対するさまざまな課題とその解決策を紹介したいと思います。

近接センサは、自動車製造ライン、工作機械、建機、食品・飲料、包装機、搬送機など、幅広い分野で利用されています。読者のみなさんも実際に現場でご利用いただいているかもしれませんね。

近接センサは、磁気誘導式、静電容量式、光電式、超音波式という4つの検出方式に大別されます【★写真1】。ただし、日本国内では、導電性が高い材質(例:金属、カーボンファイバーなど)を検出する磁気誘導式のものを近接センサと呼ぶことが多いようです。そこで以降は、磁気誘導式を中心に話を進めたいと思います。

【★写真1】近接センサの種類。センシングのアプローチも異なってくる。

では、なぜ磁気誘導式の近接センサがよく利用されるのでしょうか? それには主に次のような理由が挙げられます【★写真2】。たとえば、センサや検出体がお互いに損傷を受けない、長寿命、高速応答、環境の影響がなく検出が可能、使用できる温度範囲が広いといった理由が挙げられます。ほかにも、安価、配線がラク、小型製品のラインナップが豊富といった理由もあります。その一方で、周囲の物体、センサ同士で影響を受けるといった弱点もあります。

【★写真2】近接センサを使う理由とメリット

磁気誘導式の近接センサの構造と原理はシンプル!

では、こういった近接センサのメリットはどうしてもたらされるのでしょうか? 磁気誘導式の構造と動作原理がわかれば、自ずと推測がつくでしょう。

磁気誘導式近接センサの基本構造は【写真3】のようになっています。センサには、高周波電磁界を発生させるヘッド部(コイルとフェライトコア)、発振回路(パルスジェネレータ)、発振状態検出回路、出力アンプなどで構成されます。
一般的にはヘッド部は合成樹脂製の保護キャップが付いていることが多いです。

【★写真3】近接センサの基本構造

検出原理はシンプルです。センサの検出コイルより発生させる電磁界内に検出物体(金属)が近づくと、電磁誘導により、その検出物体に誘導電流(渦電流)が流れ、エネルギーが消費されます。
そのとき発振回路は発振状態を維持することができず、 発振が減衰する、あるいは停止します。そのタイミングで、近接センサ内の出力回路によって、直ちに出力信号が発生させます【★写真4】。

【★写真4】磁気誘導式の近接センサの検出原理

したがって、磁気誘導式の近接センサで検出できる物体は、一般的に渦電流が発生するような導電性が高い材質(例:金属、カーボンファイバーなど)に限定されます。
もちろん検出体の種類やセンサの磁界強度により、検出体に発生する渦電流が変化するため、検出距離も異なります。

CONTRINEXのセンサで、従来の金属センシングの困りごとを解決!

さて、ここまで説明してきた近接センサですが、工場などで同様のセンサを使って物体を検出する際に、以下のような課題で困った経験はないでしょうか? 

よく聞かれるのが、対象物が小さく検出が困難であったり、検出体の材質(例:異種金属によって)で検出距離が異なることなどが挙げられます。
さらに誤検知することがあるということでしょう。
ほかにも、センサ自体の課題として、樹脂製のヘッドが壊れやすい、過酷な環境で使えない、取り付けが難しいといった課題もあると思います【★写真5】。

【★写真5】現場で困った金属センシングの課題

実は、このような課題を解決できる特殊な近接センサをケーメックスでは取り扱っています。スイスのセンサメーカー、CONTRINEX社の製品群です。
同社は、磁気誘導式近接センサや光電式センサなど、8000以上の製品ラインナップを持ち、世界60ヵ国以上でグローバルに展開しているマーケットリーダーです。

実は以前、本コラムでCONTRINEX社の近接センサについて少し触れたことがあります。
特別企画「目からウロコの産業用センサ活用術」~展示会来場者が驚きの声! 透明な瓶や薄いビニールシートを100%の精度で検出する活用術」https://www.kmecs-automation.jp/techplus/detail_51.htmlというコラムです。

このときは、同社の光電センサで透明体を検出する機能をご紹介したものでしたが、実は今回の磁気誘導式の近接センサも非常に優れた機能があります。
次回から、同社のセンサ「500シリーズ」や「700シリーズ」などを利用して、金属センシングの難問を解決するデモをご紹介していきます。それでは次回をお楽しみに。

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