【特報!】Murrplastik社の「Robotic-Kit」が、オムロン協調ロボットTMシリーズの標準アクセサリとして採用!

2020/03/10

  • 導入事例

増田 将吾

協働ロボットに欠かせないアクセサリとは?

今回は、昨年末に東京ビッグサイトで開催されたロボットの祭典「iREX2019」(国際ロボット展2019)について触れたいと思います。本イベントにケーメックスも毎年出展させていただいております。

実は、弊社が総代理店を務めているMurrplastik社のケーブルマネジメントシステム「Robotic-Kit」が、このたびオムロン協調ロボットの標準アクセサリとして採用いただけることになりました。そこで今回は、iREX2019に出展していたオムロン社の三原 等氏に、直撃インタビューを敢行させていただきました【★写真1】。


【★写真1】
オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー マーケティング部 主査 三原 等氏(写真左)、

筆者(写真右)



ーーオムロン様は、ロボット分野にも本格的に参入されていますね。

三原氏 はい。2015年に米国の産業用ロボットメーカーであるアダプト テクノロジー社をグループ会社化しhttps://www.omron.co.jp/press/2015/09/c0916_2.html、ロボット事業をスタートしました。このメーカーは、産業用ロボットに加え、無人搬送ロボット(以下、AGV:Automated guided vehicle)も持っています。最近では、人手不足もあいまって、すぐにロボットを導入したいというニーズも増えてきました。

もちろん産業用ロボットでも良いのですが、それなりにコストもかかるし、導入までの時間も必要なので、あらたに協働ロボットもラインナップとして拡充したのです。協働ロボットは、人と同じ環境に適用できるロボットです。日本では法律の改正によって、現場に安全柵がなくても、ロボットを導入できるようになりました。
注意:協働ロボットを使用する場合にも、リスクアセスメントの実施は必要となります。


そこで我々は、2018年に台湾のロボットメーカー、TECHMAN ROBOT社と提携しhttps://www.omron.co.jp/press/2018/05/c0514.html、同社のアーム型協調ロボット【★写真2】を、「オムロン協調ロボットTMシリーズ」としてブランド化し、グローバルで販売することになりました。

オムロンロボット紹介サイト→https://www.fa.omron.co.jp/product/special/robotics/

Plug&Play機器紹介サイト→https://www.fa.omron.co.jp/product/special/robotics/collaborative/plug_play/




【★写真2】オムロン協調ロボットTMシリーズのブランドでグローバル販売を展開しているアーム型協調ロボット。



ーーそのオムロン協調ロボットTMシリーズに、このたびRobotic-Kitをご採用されたのですね。

三原氏 はい。もともとTECHMAN ROBOT社では、簡単にロボットに取り付けられるアクセサリ群をプラグ&プレイ機として用意していました。今回、オムロンでは、Murrplastik社のケーブルマネジメントシステム「Robotic-Kit」【★写真3】を標準アクセサリとして採用させていただきました。


【★写真3】協調ロボットTMシリーズの標準品として採用された
Murrplastik社のケーブルマネジメントシステム「Robotic-Kit」。



このほか標準アクセサリには、ロボットのエンドエフェクターとなるグリッパ(ロボットハンド)や、ワークとの接触力を検出する力覚センサ、物体認識用のカメラなども用意しています。このRobotic-Kitも、それらのアクセサリの1つになります。


ハーネスケーブルでも簡単に装着・交換できる! メンテナンスが容易なRobotic-Kit

ーーそもそもケーブルマネジメントシステム(Robotic-Kit)とは、どういったアクセサリなのでしょうか?

三原氏 ロボットには多くのケーブル配線が施されています。電源線や信号線(デジタル、アナログ信号)は、ロボット本体の内部を通って配線されることも多いのですが、たとえばフィールドバスや、ロボットハンドをエアで駆動させる場合のエアチューブなどは、外配する必要が出てきます。

その際にロボットの動き方によっては、ケーブルやエアチューブが絡まったり、何かに接触して破損してしまうリスクもあります。そこで、従来まではロボットにダクトを取り付けて、後付けのチューブやケーブルを通して保護していたのです。

ーーでは、なぜ今回はダクトを使わずに、ケーブルマネジメントシステム・Robotic-Kitをご採用いただいたのでしょうか?

三原氏 ワンタッチで簡単に取り付けられ、イージーユースなので、オムロンTM Plug&Play機器のアクセサリとして最適であると考えたからです。また一般的なコンジットを使うと、まずケーブルを入れてから、コネクタを現場結線しなければなりません。もし一度でもケーブルが断線すると、取り変える際にもメンテナンスが非常に大変です。

ーーRobotic-Kitの場合は、ハーネスケーブルにも対応できるので安心ですね。

三原氏 はい、コンジットにスリットが入っており、そこからハーネスされたケーブルを通せることはメリットだと思います。グリッパも多機能な電動タイプでは、信号線をコントローラ側に引き回すことがあります。ハーネスされたケーブルがメーカーから支給されるため、あとでコンジットに通らないケースも出てきます。そういう場合にRobotic-Kitが非常に役に立つと思います。

似たような製品もありますが、ハーネスケーブルを通せなかったり、値段もけっこう高いです。Robotic-Kitは手頃な価格だと思いますし、ドイツの「German Innovation Award'19 Winner」を受賞しているようなところをみると、機能性にも期待感が持てます。

ーーなるほど。展示ブースでは、実際に協働ロボットにRobotic-Kitが使われていますね。デモの内容も教えてください。

三原氏 今回のデモは、ロボットが段ボール箱をパレットに乗せる「パレタイジング」の作業を行っています。ベルトコンベアから運ばれてくる段ボール箱を、ロボットアームの先端(エンドエフェクター)のエアによって吸着し、AGV上のパレットに乗せ換えます。パレットが箱で一杯になったら、AGVが移動して出荷工程に進みます【★写真4】【★動画1】。



【★写真4】昨年末に開催された「2019国際ロボット展」(iREX2019)で披露された
オムロン協調ロボットのデモ。Robotic-Kitが使われている。



このとき工場現場には安全柵がありません。レーザースキャナ(安全カーテン)が設置してあり、もし人が侵入した場合に検知できるように、リスク管理も行っています。オムロンは、こういったロボットやAGVはもちろん、PLCやコントローラ、各種センサなど、20万点以上のFA機器を揃えていますので、スマートファクトリに必要なほとんどのパーツをご提供できるのです。

ーーロボットを導入する際には、本体だけでなく、その周辺機器やアクセサリ類なども、長く安定的にお使いいただくために重要なアイテムになります。今回ご紹介したRobotic-Kitについては、次回のコラムで詳細をご説明したいと思います。お楽しみに!


→「Robotic-Kit」の製品ページへ

お問い合わせ

増田 将吾プロダクトマネージャー

主にMurrplastikやBinderを担当しています。
ヨーロッパの優れた製品を幅広く皆様にご紹介していきたいです。
週末にはボルダリングジムに通って汗を流しています。

新着記事

戻る