ケーメックスでしか手に入らない! ドイツ・binder社の小型丸形コネクタ(その5)
2019/05/08
- binder
工作機械に使うならコレ! デファクトの専用コネクタに24極タイプが登場
今回ご紹介する「M16 Minaiture IP67」【★写真1】ですが、本製品は工作機械関係で最もよく利用されている防水型コネクタです。というのも、M16サイズが工作機械関係のデファクトスタンダードになっているためです。
このM16 Minaiture IP67には「423シリーズ」「723シリーズ」「425シリーズ」という3種類のコネクタがあり、それぞれにストレートタイプとアングルタイプが用意されています。これらの製品のうち、まずは423シリーズについてご説明したいと思います。
これまでBinder社は、423シリーズとして19極までのコネクタを取り揃えていましたが、新たに24極タイプをラインナップに追加しました【★写真2】。冒頭で触れたように、M16コネクタは工作機械メーカーで一般的に使われているものです。工作機械の場合、ある程度の大電流を流す必要があるため、M16コネクタがちょうどよいサイズ感ということです。
たとえば、シリーズの極数によりますが、従来の2極から19極の場合は、定格電圧250V/125V/60V、定格電流7A~3Aまで。今回の目玉となる24極タイプは信号線として使うもので、定格電圧は60V、定格電流は1Aまでに対応します【★写真3】。いずれもUL規格に準拠しています。
この423シリーズは、シルバーの金属ハウジング(真鍮ニッケルメッキ処理)を採用しています。コンタクトピンは、削り出しのマシンコンタクトと安価なプレスコンタクトがあり、金あるいは銀メッキのいずれかを選択できます。また逆心のピンの用意しています。
コネクタ同士の勘合は、スクリュー接続(ネジ式)で、防水性能はIP67に準拠しています。またケーブルに関しては、外径が4~10mmで、はんだ付け/クランプ(圧着)/スクリュークランプ(ネジ式)の結線方式を選べます。
次に、423シリーズ以外のコネクタについて、それぞれの違いをご紹介しましょう。723シリーズ【★写真4】はブラック・クロメートのメッキ処理を施したコネクタです。
一方の425シリーズ【★写真5】は、ケーブル部をオーバーモルディング(一体成型)し、部分的にIP67以上の防水性を備えているため、より劣悪な環境でも使えます。外皮ケーブルの素材はポリウレタンで、耐油性があり、油などにも対応できます。
【★写真4】M16 Minaiture IP67「723シリーズ」。
ブラック・クロメートのメッキ処理を施されている。写真はアングルタイプのもの。
【★写真5】M16 Minaiture IP67「425シリーズ」。
ケーブル部がオーバーモルディングのため、防水性に優れ、より劣悪な環境でも使える。
最後に、これらM16 Minaiture IP67の適用事例について紹介したいと思います。たとえば以下の製造現場では、オーバーモールディングの425シリーズ(ストレート型)が採用されています【★写真6】。また、生産ラインのパーツフィーダ工程の制御コントローラなどにも使われています【★写真7】。
【★写真6】M16 Minaiture IP67の適用事例その1。製造ラインでの採用。写真の赤丸の部分。
【★写真7】M16 Minaiture IP67の適用事例その2。パーツフィーダのコントローラ部での採用。
写真の赤丸の部分。
このようにM16は、製造ラインの生産設備に欠かせないコネクタであることをご理解いただけるでしょう。それでは、また次回をお楽しみに。
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