ケーメックスでしか手に入らない! ドイツ・binder社の小型丸形コネクタ(その2)

2018/08/01

  • binder

IP69規格対応!UL/VDE準拠25A電源信号複合コネクタをご紹介!

ドイツの老舗コネクタメーカー、binder社の製品について解説する本コラム。初回はbinder社の概要についてご説明しました。いよいよ第二回目からは、binder社の代表的なコネクタについて具体的にご紹介していきたいと思います。
さて今回のネタは、新たなラインナップが加わった「パワー696HECシリーズ」です。HECシリーズは「パワー」という名が冠されているとおり、工作機械などの動力ケーブル用として最適な製品です【★写真1】。

【★写真1】新製品の「パワー8696HECシリーズ」(動力線用の5極タイプ)。

HECシリーズの大きな特徴は、コネクタとレセプタクルを左右に回して勘合するバヨネット式【★写真2】を採用していることでしょう。またロック時に、手でグリップしやすいように、コネクタ中央部が少し窪んだ設計になっています。ハウジング材質はPA(樹脂)のため軽く、感電の心配もありません。


【★写真2】HECシリーズの特徴は、バヨネット式ロッキングであること。
コネクタとレセプタクルを左右に回して勘合する方式を採用。


シリーズとしては、新しく加わった動力線オンリーの5極タイプ(4+PE)のほかに、動力と信号線の複合型の8極タイプ(4+3+PE)、そして信号線のみが用意された12極タイプの計3種類があります。

主な定格については、5極タイプは動力線のみなので、定格電流32A・定格電圧600Vとなっており、かなり容量の大きなサーボモータなどにも対応できる仕様です。ケーブル径は2.5~6sqまでに対応し、ハンダ付けでなくて、コンタクトピンをクリンプ(圧着)して接続します【★表1】。

【★表1】5極タイプ(4+PE)の仕様


ちなみに、このコンタクトピンには切削加工品とプレス加工品があるのですが、使用する機械が工作機械などのように大電流の場合には、圧着性がよい切削加工品のほうをオススメします【★写真3】。作業する際の専用圧着工具やピン引き抜き工具などもご用意しています。


【★写真3】
コンタクトピンの種類。切削加工品とプレス加工品を用意。
写真は切削加工品で、大電流の場合にオススメ。

一方、8極タイプは前者より動力線の容量が若干小さくなります。動力線は4極あり、定格電流25A・定格電圧400Vです。また信号線は3極あり、定格電流3A・定格電圧60Vとなっています。ケーブル径は1.4~2.5sqに対応し、これもクリンプ(圧着)して接続します【★表2】。

【★表2】8極タイプ(4+3+PE)および12極タイプの仕様

信号線のみの12極タイプについては、定格電流5A・定格電圧250V。信号線なのでケーブル径は0.14~0.75sq(コネクタ側)、0.14~1.0sq(レセプタクル側)と細いです。それぞれのプラグ/レセプタクルは、コンタクトピンのオス(正芯)とメス(逆芯)を組み合わせて使用できます。

工作機械などで利用する場合には、コネクタに切削油がかかったりすることがあります。もちろんコネクタ自体にも耐油性があるのですが、念のためオプションの保護用キャップを使うとよいでしょう【★写真4】。またケーブルについても、蛇腹のように自由に曲がるフレキシブルホースが用意されています。こちらにケーブルを貫通させれば、ケーブルに油がかからずに済みます【★写真5】。

【★写真4】切削油などがかかる際に使うオプションの保護用キャップ。
プラグ/レセプタクル用のオス/メスの4タイプがある。


【★写真5】オプションのフレキシブルホース。
このホースの中にケーブルを通して、切削油などがかかるのを防止できる。



コネクタの規格として、UL(リコグニション)/VDEに準拠していますので、北米などへ機械を輸出するケースでも安心です。価格もお手頃なので、ぜひ導入のご検討をお願い致します。次回も引き続き、binder社の代表的な製品についてご紹介する予定です。それでは、また!


ドイツの老舗コネクタメーカーが作る大電流に対応するラインアップをご紹介

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