実は人件費も安くなる! Mねじコネクタで省配線化するメリットあれこれ

2022/10/11

  • Murrelektronik

ケーメックスAT テックプラス編集部

システムの配線作業をした経験のある方なら、ケーブルの数が多くなるほど、配線が大変で手間がかかることをご存知でしょう。日ごろから「もう少し簡単に作業できればよいのに」「省配線化できれば手間が省けるのに」と思われている方も多いかもしれません。しかし、いざ省配線化を進めるにも、何か新しいシステムを導入するのは面倒だし、そもそも一体どこから手をつければよいのかも分からないという声を多く耳にします。そんな方々に朗報があります。今回は省配線化のメリットを中心に、弊社が扱うMurrelektronik社の製品についてご紹介したいと思います。


【目次】
5つもある省配線化のメリット、最大のメリットはトータルコスト削減!
作業時間の短縮で、どのくらい人件費が下がるのか? 具体的に試算
省配線化による副次的なメリット 中継箱の省略も!
作業もメンテナンスも簡単! 省配線システム・EXACT12シリーズとは?


5つもある省配線化のメリット、最大のメリットはトータルコスト削減!

では、省配線化のメリットとは、具体的にどのようなものでしょうか? 
以下、大きく5つのメリットが挙げられます。
省配線化するのは大変というイメージがあるかもしれませんが、実はその手間以上に得られるメリットも大きいのです。

①手間が省ける
②時間=人件費
③省スペース
④立ち上げ時
⑤トータルコスト

実例を挙げて、省配線にした時の工数削減や人件費削減についてご紹介したいと思います。
以下は、某包装機メーカーの製造システムを省配線化する前の現行システムの作業時間です。

下記図のように、これまでは16個のセンサごとに3本分のケーブルを多芯コネクタにつなげるため、計48本ぶんの配線作業が必要でした。
さらに多芯コネクタから制御盤に19本の多芯ケーブルをつなげていたため、作業にかかっていた時間は以下のようになります。

1本のケーブルを手作業で配線する時間を約50秒とすると(作業員により若干異なりますが、ここでは熟練者による作業として50秒とします)、上記のように配線点数(以下、WP:Wiring Point)は48本+19本で計67WPとなります。

■多芯コネクタに接続する作業時間=50秒×67WP=3350秒=約56分

このほかに、中継箱の組み立て時間が約60分かかります。したがって従来の配線システムの作業時間は、

■合計作業時間=56分+60分=116分 

となっていました。

次に弊社で提供するMurrelektronikの省配線システム・EXACT12シリーズを利用した場合の配線工数は以下のようになります。

 

EXACT12シリーズではセンサ16個を接続する配線点数(CP:Connection Point)は、コネクタによって集約されるので、2分の1の計8CPになります。EXACT12シリーズは、M12のコネクタで接続するだけなので、勘合時間は1CPあたり約10秒で済みます。

したがって、EXAC12シリーズのコネクタに接続する作業時間は下記の通りになります。

10秒×8CP=80秒=1.3分

これにコネクタとケーブルを接続する作業時間(ケーブルハーネス時間)として1本あたり(両端の接続)3分と想定すると、下記の計算になります。

3×8CP=24分

そして、合計の作業時間は、約25分で済んでしまいます。

■合計作業時間=1.3分+24分=約25分

つまり、同じ作業でも従来は116分かかっていたものが、25/116=0.22で22%、約8割短縮できるわけです。

 

作業時間の短縮で、どのくらい人件費が下がるのか? 具体的に試算

省配線システムの導入は、手間がかかるし、面倒だとイメージがあるかもしれませんが、本当は違うことがご理解いただけるでしょう。
さらに重要な点は、作業時間が短縮できるということは②時間=人件費削減につながり、トータルコストが削減できるという点です。
長い目で見ると、ある程度の初期投資がかかっても、以下のように人件費が減るので、元もすぐに取れてしまうのです。

たとえば、作業時間は従来の約8割となりますから、ひとり1日の労働時間を8時間、作業工賃を3000円/時間と仮定し、年間生産台数を30台とすると、年間の作業時間の削減分は

(116分-25分)×30台=2730分=約46時間/8=5.75日

の業務短縮となり、

3000円×約46時間=年間13万8000円

の削減ができるという試算です。

これによりイニシャルコストも数年で取り戻せることが分かります。省配線システムの導入に戸惑っている多くの方々は、この長期的トータルコストを見逃しがちなのです。

省配線化による副次的なメリット 中継箱の省略も!

次に③省スペース化ですが、こちらは従来使っていた中継箱が省配線システムに置き換わることになるため、スペースが小さくなります。

また④立ち上げ時の作業性ですが、現場で立ち上げを行う際に、コネクタで接続するため、作業がラクになります。

これは、のちのちのメンテナンス時にも威力を発揮するでしょう。その他にも⑤副次的なメリットもあります。
ケーブルのコネクタ化は、接続スキルが乏しい現場スタッフでも簡単に対応でき、「作業工程の標準化」につながるからです。
いま話題のIoTの要請に応えるシステム体制を整えることもできるでしょう。

また当然ながら配線ミスがなくなり、高品質を担保できます。
余分なケーブリングが不要になるため、制御盤本体やダクトもコンパクト化されます。

一方、メンテナンス時には、前述のようにコネクタ着脱によって現場作業員の負荷が軽減され、コスト削減につながります。
また万が一、断線などトラブルが起きても、Exact12に配置されたLEDが点灯するため、どの場所に問題があるのかもすぐに現場で判断がつきます。
従来のようにテスターで、いちいち配線を1本1本チェックする必要はありません。

作業もメンテナンスも簡単! 省配線システム・EXACT12シリーズとは?

ここまで、省配線化による多くのメリットを説明してきましたが、これらを実現させるのが、弊社が取り扱っているMurrelektronik社の省配線システム・EXACT12シリーズなのです。
本シリーズについて簡単に触れたいと思います。

同シリーズは、モールド一体成型のため経年劣化が起きにくい構造です。4ポート/8ポートの2タイプを用意し、1ポートで1ch、あるいは2chの信号に対応できる製品もあります。

1ポートで2chを利用する場合は、オプションの「Tカプラ」(https://www.kmecs-automation.jp/products/detail_905.html)を使って信号を分岐させます。

 自動化を進めると多くのセンサが必要となります。それぞれ追加されたセンサは、さらに配線を必要とします。
したがって、このT-カプラを使用することで、アプリケーションに依存する入力と出力をまとめることができ、ケーブル配線を削減が可能になります。 
スリムなデザインにより複数のTカプラをI/Oモジュールに接続できます。
また専用のトルクレンチが用意されているため、狭いスペースでも確実に取り付けられて、IP67にも対応します。 

とはいえ「ケーブルをコネクタ化することが面倒なのでは?」と疑問に思う向きもあるかもしれません。
しかし、その心配無用です。
実は、Murrelektronik社では一般的なケーブル配線作業をせずに、非常に簡単にコネクタ化できる仕組みを採用しているのです。 

ケーブルの被覆をはがさず、そのままバラ線と電源線をコネクタに挿入して絞め込むだけで、内部結線が可能な構造になっています。
従来のように圧着端子のカシメ作業もなく、誰でもラクに組み立てられます。
また、ケーブルのコネクタ化も簡単です。下図のように4ステップで作業が完了します。

コネクタ部は六角ネジ式になっているため、専用トルクレンチで均一にトルクを管理しながら上方から締め付ければ、簡単にIP67準拠の防水仕様になります。
接続の緩みやネジの締めつけによるパッキンの破損なども防止します。
ケーブル端子が密集し、作業スペースがなくても大丈夫です。

 このように、EXCAT12シリーズでケーブルのコネクタ化と省配線化を進めれば、工数削減によるコストの削減だけでなく、後のメンテナンス性も含めて多くのメリットが得られることをご理解いただけるでしょう。

目先の手間やコストだけでなく、将来まで続くサスティナブルなメリットと将来的なトータルコストまで見据えて、EXCAT12シリーズをご検討していただければ幸いです。 

本製品にご興味のある方は、ぜひ弊社までご連絡(info@kmecs-automation.jp)を下さい。


今回ご紹介した「EXACT 12」の
製品詳細・型番は下記資料からダウンロード頂けます

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