簡単・安心な制御盤の配線作業とメンテナンスを実現するバルブコネクタ〈後編〉

2022/01/12

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  • Murrelektronik

竹端隆太

☆☆☆前回記事は下記をクリック☆☆☆
簡単・安心な制御盤の配線作業とメンテナンスを実現するバルブコネクタ〈前編〉



前回
はソレノイドバルブ(電磁弁)を導入する際に考慮したいポイントを中心に紹介しました。

製品選定には製品単体の値段だけでなく、作業工数まで含めて考えたほうが結果的に安上がりになること、また事前にサージ対策が施されている製品も選択肢になる点を解説しました。

今回は具体的なバルブコネクタを紹介しつつ、その取り付けの流れや、関連製品のフロントパネルインターフェース(防水カバー)についても説明しましょう。


【目次】
バルブコネクタの具体的な製品と、取り付けの流れ
フロントパネル・インターフェースの役割とメリットとは?


バルブコネクタの具体的な製品と、取り付けの流れ

前編でご紹介したMurrelektronik社のバルブコネクタですが、基本的にはソレノイドバルブのシングル用とダブル用の2タイプがあります。また、【★写真1】のようなM8/M12コネクタ付きケーブルも用意されており、ケーブルは黄色/灰色/黒色の3色から選べます。さらにM8/M12サイズの省配線BOXと併せて使うことで中継箱が不要になり、現場の結線工数を大幅に削減できることも特徴の1つです【★写真1】。

【★写真1】バルブコネクタのバリエーション。シングルとダブル、M8/M12サイズ、黄色/灰色/黒色のケーブル付などを用意。

具体的な事例ですが、某社ではシステム配線に必要な部品が多くあり、作業工数がかなりかかることが大きな悩みでした。実際にケーブルの引き出しとカット、外皮や絶縁体の剥離、コネクタへの結線、導通試験まで含めると、かなり手間が掛かっていたのです【★写真2】。また防水性への不安もありました。

【★写真2】某社におけるバルブ配線の悩み。作業工数がかかり大変だった。また防水面での心配もあったという。

そこでMurrelektronik社のバルブコネクタを採用しました。
もともとケーブルはハーネス済のモールド品なので配線作業が短縮でき、ケーブルの取り置きも不要で社内の在庫数を減らせるようになりました。
またバルブのON/OFFを示すLEDがコネクタに搭載されているため、目視でバルブの状態を簡単に確認できるようになりました。
IP65またはIP67にも対応しており、防水性も担保されました。

さらに専用の省配線BOXを採用することで作業性が向上し、いっそう配線工数が削減されたのです。
M12コネクタ付きケーブルを使用したソレノイドバルブ(ダブルバルブ)の配線手順を以下に示します【★写真3】。

【★写真3】M12コネクタ付きケーブルを使用したソレノイドバルブ(ダブルバルブ)と、省配線BOXを採用することで省配線を実現。

実際にデモで配線した様子は以下の通りです。
IP65あるいはIP67に準拠するため、専用トルクレンチでネジの締め付け力を均一にすることで、作業の標準化を実現できます。
また、このトルクレンチの優れている点は、特殊なL字形状になっており、狭い空間でもレンチを入れて簡単にネジを回せる設計になっているところです。
これにより作業効率を大幅に向上できます【★写真4】。

 

【★写真4】実際に配線したときの様子。L字形状の専用トルクレンチを使うことで、狭い空間でも作業効率が大幅にアップしてメンテナンス性が向上する。

このようにMurrelektronik社のバルブコネクタならば、配線工数を大幅に削減できることに加え、防水性の担保とメンテナンスの向上を同時に実現できるわけです。

フロントパネル・インターフェースの役割とメリットとは?

最後に今回の関連製品として、制御盤などからの給電や信号を送受信する際に最適なインターフェースであるMurrelektronik社のフロントパネル・インターフェース「MODLINK MSDDシリーズ」を紹介したいと思います。

フロントパネル・インターフェースは、システムの診断情報(故障時)やメンテナンス時の、制御版内の給電ポートやコンドローラへのアクセスを容易にしてくれるもので工場現場のオペレーターが機械の状態をいち早く、かつ安全に把握する際に大変役に立ちます【★写真5】。

【★写真5】フロントパネル・インターフェース(MSDD MSDDシリーズ)を利用すると、現場でシステムの状況が可視化され、機械の状況を迅速かつ容易に把握できるようになる。

MODLINK MSDDシリーズの特徴をまとめると以下のようになります。
各国規格の電源(AC100V電源用インサートも用意)、Dサブコネクタ、RJ45、USBなどのインサートをラインナップし、お客様が自由にコネクタやスイッチを取り付けられます。インサートの組み合わせは10万通りにも上ります。
蓋を閉めれば防水保護等級IP54などに対応します。また非ロック状態で蓋が30度まで開くため、ロックの確認が簡単にできます。フラットブラインドプレートもあり、お客様サイドでカスタマイズが可能です。

フロントパネル・インターフェースは組み立ても簡単です。はめ込みたい部品(インサート)の穴をカットして開け、フレームを差し込み、固定用ネジを締めてから、インサートをはめ込むだけでOKです【★写真6】。

 

【★写真6】フロントパネル・インターフェースの組み立て手順。筐体(フロント部)にカット穴をあけ、フレームを差し込み、ネジで固定し、インサートをはめ込むだけでOK。

MODLINK MSDDシリーズの具体的な採用例にも触れておきましょう。
某社ではシステム稼働時に、制御盤の内部機器(コンドローラなど)と通信する必要が生じたのですが、専門のエンジニアでないと稼働中に制御版のフロントカバーを開け、内部の通信状態を確認できないという課題がありました。

そこで本製品を採用し、制御版のフロント部から信号を取り出し、内部機器といつでも通信できるようにしたのです。
これにより機械の状況を誰もが容易に把握できるようになり、お客様から高評価をいただいたとのことです。
海外の規格に対応するシステムにフロントパネル・インターフェースを事前に取り付けておけば、あとから何かトラブルがあっても困らずに済むでしょう。

弊社の取り扱い製品にご興味のあるご担当者様は、サンプルも用意しています。興味のある方は、ぜひインサイドセルース(insidesales@kmecs-automation.jp)まで、ご一報いただけると幸いです。



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