食品製造ラインで使われるライン構成部品のトレンドと、押さえるべき3つのツボとは?

2021/07/13

  • セミナーサポート

増田 将吾

食品製造業界3大トレンド! 「衛生」「ダウンタイム」「脱中央集中配線」

ケーメックス・オートメーションでは、食品製造ラインで使われる専用のケーブルやケーブルグランドなどを取り扱っています。そこで今回は、食品製造業に絞って、ライン構成部品から見る課題とソリューションについて解説します。

食品製造業界の動向ですが、「衛生」「ダウンタイム」「脱中央集中配線」という3つのキーワードが挙げられます【★写真1】。

【★写真1】「衛生」「ダウンタイム」「脱中央集中配線」は、食品製造業界に関する3つのホットなキーワードだ。

衛生面ですが、いま欧米では清掃性・耐蝕性に配慮した「ハイジェニックデザイン」が注目されています。食品工場で食品を扱う領域は①Food Zone(容器の内側など食品に触れている部分)、②Splash Zone(容器から食品が飛沫する部分)、③Non-Food Zone(まったく食品が触れない部分)に分類されます【★写真2】。

【★写真2】食品工場で食品を扱う領域を分類。①Food Zone、②Splash Zone、③Non-Food Zoneで使う製品を考える必要がある。

そこで、これらの状況に合わせた製品が提供されています。たとえば角がある容器では、その部分に食品の残りカスが付着することがあります。これが原因で細菌が発生し、衛生面で問題を引き起こすリスクがあります。そこでアールをつけ、洗い流しやすくするといった設計がハイジェニックデザインになります。こういった衛生面でのガイドラインや認証プログラムで指針を出す団体で有名なのが、欧州の「EHEDG」(European Hygienic Engineering & Design Group)です。

2つ目のダウンタイムですが、センサーやケーブルなどの構成部品が壊れてしまうと、食品製造機械がストップしています。こういったリスクを最小限にするには、耐久性や耐薬品性、IP保護等級の高い(例:IP69K)部材を使う必要があります。

たとえば、食品を洗い流す際に、機械が洗剤や化学薬品にさらされると寿命が短くなり、ケーブルも劣化します。食品から出るオーガニック油類も、部材に影響を与える可能性があります。パッキンでシーリングする部分から漏れることもあるので注意しましょう。

飴やハチミツなど粘度の高い食品は、残りカスを取り除きにくいため、低温度で固形化してから取り除く方法も使われています。いずれにしても、耐久性・耐薬品性がある部材(TPEやPUR、SUSなど)を採用した製品が求められます【★写真3】。

【★写真3】機械が洗剤や化学薬品にさらされると、寿命が短くなり、ケーブルも劣化。耐久性・耐薬品性の部材を採用した製品が求められる。

3つ目の脱中央集中配線は、主に機械のケーブル類の取り回し方に関する話です。たとえば、ネットワークトポロジーを見ても分かる通り、従来のようなスター型の中央集中型だと、エッジ部のセンサーやアクチュエータが故障すると、そのラインのすべてが使えなくなってしまいます【★写真4】。

【★写真4】ネットワークトポロジー。機械のケーブル類の取り回しには、中央集中型だと故障時にメンテンスが面倒。分散型のほうが良い。

一方、分散型ならば、どこが一部壊れたとしても、その部分のみを散り換えればよく、ケーブルも無駄になりませんし、メンテナンスも容易で、リカバリーも早くなるため、ダウンタイムの時間を短縮化につながります。

海外に製品を輸出するなら、食品衛生にまつわる規格と認証をチェック!

ここからは食品衛生にまつわる規格と認証について復習しておきましょう。海外に食品製造機械などを輸出する場合は、その国で定められた規格に準拠する必要があります。

有名な規格として国際規格「ISO」のほか、欧州規格「EN」、ドイツでは「DIN」などがあります【★写真5】。たとえばENでは、食品加工機械の基本要項としてEN-1672-2 、DINでは機械設計の衛生要項としてDIN ISO 14159が策定されています。

【★写真5】食品衛生にまつわる主な規格。海外に食品製造機械などを輸出する場合に重要になるので押さえておきたい。

このほか、米国ではオバマ大統領のころに「FSMA」(The FDA Food Safety Modernization Act)が成立し、すべての関係者に衛生への注意を促しています。ただ多岐にわたる製品のなかで何を選ぶか判断に迷う場合があります。そこで認証登録があるロゴ付の製品を選定することを推奨しています。

最後に、どんな認証登録があるかについて紹介します。前出の欧州のEHEDGは、自ら試験規格を策定し、認証・トレーニングを実施しています。EHEDGの米国版としては「3-A Sanitary Standard」があります【★写真6】。

【★写真6】食品衛生にまつわる有名な認証機関。欧州のEHEDGや「3-A Sanitary Standard」や「ECOLAB」などがある。

ほかにも米国では「FDA」(U.S. FOOD & DRUG ADMINISTRATION)やNSF(National Science Foundation)、民間団体としては洗剤メーカーの「ECOLAB」の認証などが有名です。

次回、後編ではケーメックスが取り扱う具体的な製品について紹介します。お楽しみに!

お問い合わせ

増田 将吾プロダクトマネージャー

主にMurrplastikやBinderを担当しています。
ヨーロッパの優れた製品を幅広く皆様にご紹介していきたいです。
週末にはボルダリングジムに通って汗を流しています。
仕事もプライベートも、高い壁を越えた時の達成感は格別です。

関連カテゴリ

新着記事

戻る