【産業オープンネット展2019展示レポート】 より運用をラクに! 新機能追加されたCUBE67が登場!
2019/11/06
- Murrelektronik
砂川 裕樹
CUBE67の基本機能とメリット、豊富なラインアップをおさらい
こんにちは、砂川です。7月末に大田区産業プラザPiOにて「産業オープンネット展2019」が開催されました。このイベントは毎年開催されており、ケーメックスもセミナーに参加したり、展示ブースを持っています。今回のコラムは、我々のブースで展示された注目の製品についてご紹介したいと思います【★写真1】。
このコラムをご覧の読者の皆様ならば、Murrelektronik社の省配線フィールドバスシステム「CUBE67」(詳細はhttps://www.kmecs-automation.jp/techplus/detail_21.htmlを参照)について、ご存知の方も多いと思います。今回は、そのCUBE67に新機能が搭載されました!
CUBE67は、バスノード(親機)とIOモジュール(子機)で構成された保護等級IP67のリモートIOです。親機は「PROFINET」「EhterNet/IP」「EhterCAT」などの各種フィールドバスとローカルバス(CUBE67)を変換する親機として、ゲートウェイの役割をもっています【★写真2】。
この親機に接続されるのが子機のIOモジュールです。子機はエッジ側のセンサやアクチュエータなどの信号を取り込み、ローカルバス(CUBE67)経由で、親機に信号を伝送します。CUBE67は、防水性に優れた(IP67)M12コネクタのシンプルな接続により、省配線と配工数の削減を実現できます。また盤内でIOを取り込むための端子台も不要になるため、制御盤内の省スペースに寄与します。
CUBE67には、上位のフィールドバスへの対応によって、さまざまな種類を揃えています。その中にはEhterNet/IP対応で、最近人気のあるIO-Linkが使えるIOモジュール用の親機も用意されています。ちなみにIO-Linkとは、従来の3線式ケーブルを利用し、センサーなどのデバイスと1対1で通信できる国際標準規格(IEC61131-9準拠)です。
なぜIO-Linkが注目を浴びているのでしょうか?
IO-Linkの詳しい説明は今回のコラムに入りきらないため割愛しますが、お客様のIO-Linkの採用理由として挙げられるのが以下の理由です。
1. より多くの情報が利用可能
例としてIO-Link対応の磁気誘導センサであれば、ON/OFFだけの"1bit"の情報だけでなく、検出物との距離がアナログ的に8~16bitで取得できることにより、過接近、センサのガタツキなどが予防検出できるようになります。また、分解能は下がるとしても簡易的なアナログセンサの置き換えにもなります。
2. 仕様の統一
例えば電空レギュレータ(比例制御弁)は、アナログ入力信号に比例した空気圧力を制御すると同時に、出力圧力をモニタリングしアナログ出力信号としてフィードバックします。
この電空レギュレータを制御に組み込むためには、アナログ入力モジュールと、アナログ出力モジュールが別々に必要となります。
IO-Link対応の電空レギュレータであれば、アナログ入力信号とアナログ出力信号の両方を"IO-Link"でひとまとめにでき、IO-linkマスタたった1ポートに集約できます。
いわゆるこうした電空レギュレータのようなアナログ制御機器もIO-Link対応品がありますし、アナログだけでなく、RS485を利用するRFIDリーダー/ライターなどのシリアル通信機器にもIO-Link対応品があります。それらをすべてIO-Linkで統一することに仕様の簡易化だけでなくコストダウンのメリットがあります。
3. 柔軟なパラメータ変更
圧力スイッチを例に挙げると、これは事前に設定した一定のしきい値に達するとON信号を出力したり、下限値上限値を設定し、下限値オーバー、上限値オーバーのアラートを出すようにすることができたりします。従来はこの設定値の変更にはセンサに搭載のボタンでポチポチと作業するほかなかったのですが、IO-Link対応品ではソフト上で設定することができ作業者のミスを防ぐと同時に作業時間の短縮化を図れます。
また、このパラメータ変更が段取り変更などで必要になったときは、従来は機械作業を止めてポチポチやっていましたが、IO-Link対応品では機械を止めることなくPLCからの制御信号でパラメータ変更を行うことができます。
他にも、圧力スイッチの設置箇所によっては圧力設定値の確認を機器のLCD上で確認することができません。しかしIO-Link対応品であればPLCからの読み込み信号(Ethernet/IPでのExplicit messageのような非周期アクセス)により圧力設定値を取得することができます。
CUBE67で、IO-Linkが使いやすくなった!
【★写真3】CUBE67とIO-Link製品との接続イメージ。
CUBE67では、もちろん、これらの便利なIO-Link対応品を接続することができます。(★写真3)
特にCUBE67では、「IODDインタプリタ機能」を搭載していますので、上記3のパラメータ変更が非常に簡単にできるようになります。
非常に便利なIO-Linkですが、面倒なのがパラメータ変更作業です。パラメータ変更作業はひとつひとつ行わなければいけません。
さて、この作業時間はどのくらいかかるのでしょうか?計算式は以下になります。
(設定手順に要する時間) x (設定変更するパラメータ数) x (IO-Linkデバイス数) = IO-Link設定作業がすべて終わるのに必要な時間
仮にこの式に以下のように数字を当てはめてみると、
(設定手順に要する時間=1分) x (設定変更するパラメータ数 = 5個) x (IO-Linkデバイス数=10個) = 50分
この50分をなんと1分にしてしまうのが、CUBE67に搭載された新機能の「IODDインタプリタ機能」です。
特に量産機など、一様の設定のものを生産するのであれば、この機械1台につき50分かかる作業時間が1分に短縮できるというのは大きなメリットがあるのではないでしょうか。
IODDインタプリタ機能の具体的な作業手順などは、弊社デモ機でご説明しております。(★写真4)
産業オープンネット展でも紹介いたしましたが、今月11/27より東京ビッグサイトで開催されるIIFES 2019の弊社ブースでもデモ機を出展いたします。
展示会以外でも、デモ機をご覧になりたい、詳しい話を知りたいお客様は弊社担当までお気軽にお声掛けいただければ幸いです。
CUBE67の新機能「IODDインタプリタ」をメインに展示を行った。
IIFESでは新規のデモを展示予定。
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IIFES 2019
<出展内容>
Murrelektronik社製品、Murrplastik社製品、Lapp社製品
<開催概要>
2019年11月27日(水)~29日(金)
午前10時~午後5時
<会場>
東京ビッグサイト 西1ホール
ブースNo. 1-96
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砂川 裕樹プロダクトマネージャー
Murrelektronikのエキスパートになるべく奮闘しています。
お客様の問題点の解決や要望に応えられるよう日々勉強中です。
学生時代から鹿島アントラーズの熱狂的ファンでチームが勝つべく毎週全力応援。
時には残念な結果に終わることもありますが、敗戦をお客様の機械配線のご相談に引きずらないようオンオフの切り替えをしっかりしております。
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