PVC外皮クリーンルームケーブルのメリットとは?
2024/03/11
- LAPP
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ナ ムラ
【目次】
クリーンルームとは
クリーンルームに求められる規格
従来のクリーンルームケーブルについて
LAPP社のPVCクリーンルームケーブル
クリーンルームとは
クリーンルームとは、外部からの微粒子や汚染物質の侵入を極限まで防ぎ、内部の空気を常に清潔に保つために設計された特別な部屋です。
この目的を達成するために、クリーンルームでは高度に浄化された空気を継続的に部屋に供給し使用済みの空気を排出することで、内部の空気を定期的に入れ替えて環境を清潔に保ちます。
また、空気中の粒子数だけでなく、温度や湿度も厳格に管理されます。
クリーンルーム内で使用される材料や機器も特別な配慮が必要です。
これらは微粒子を発生させない、または発塵性が極めて低い材料で作られる必要があります。
従業員が着用する服装も同様で、特殊なクリーンルーム用ウェアを着用して人体からの微粒子やその他の汚染物質の放出を最小限に抑えます。
これらの措置により、半導体製造、医薬品製造、生物学的実験など、微粒子による汚染が製品や研究結果に重大な影響を及ぼす可能性がある場合に、製品の安全性や信頼性を高めるための清潔で制御された環境が確保されます。
クリーンルームに求められる規格
クリーンルームに求められる規格は、主に空気中の微粒子の濃度を基準に設定されます。
これらの規格は、クリーンルームの清潔度レベルを定量的に評価し、維持するために用いられます。
国際的に広く認められている主な規格には、以下のものがあります:
1. DIN EN ISO 14644-1: 国際標準化機構(ISO)によって定められた、クリーンルームおよび関連するコントロール環境の分類のための規格です。空気中の粒子の大きさと濃度に基づいて、クリーンルームをクラス1からクラス9までのクリーンレベルに分類します。クラス1が最も清潔で、クラス9が最も低い清潔度を示します。
2. US Federal Standard 209E (FS 209E): アメリカ合衆国の連邦規格で、現在はISO 14644-1に取って代わられていますが、依然として業界で参照されることがあります。この規格もクリーンルームの清潔度をクラスによって分類し、クラス100、クラス1000、クラス10000などといった形式で表されます。数字は1立方フィートあたりの0.5ミクロン以上の粒子の数を示しています。
3. VDI 2083:クリーンルーム技術に関するドイツの規格シリーズで、VDI(Verein Deutscher Ingenieure、ドイツ工学会)によって提供されています。この規格シリーズは、クリーンルームの設計、構築、運用に関する包括的なガイドラインと推奨事項を提供し、特にヨーロッパ地域でのクリーンルーム技術の標準化に貢献しています。
これらの規格は、クリーンルームの設計、構築、運用を行う際の基準となり、特定の産業や用途に応じた適切な清潔度レベルの選定に役立ちます。また、綺麗な空気を効率的に入れ替えて清潔な環境を保ち、クリーンルーム内で使用される材料は微粒子を出さない特性を持つ必要があるなど、運用面でも厳しい基準が設けられています。
従来のクリーンルームケーブルについて
従来、ケーブル素材としてフッ素樹脂(PTFE/FEP)を使うのが多いのですが、使用する際には以下のようなデメリットも考慮する必要があります:
- コストが高い:フッ素樹脂は製造コストが高く、そのためフッ素樹脂を使用したケーブルは他の材料に比べて高価になります。
- 加工が難しい:フッ素樹脂は非常に耐熱性が高い反面、その性質上、加工が難しくなります。特に、ケーブルの切断や接続部の加工には、専門的な技術や機器が必要になる場合があります。
- 硬度が高く柔軟性に欠ける:特定のフッ素樹脂材料は、硬度が高く柔軟性が低いため、狭いスペースに配置する際や複雑な経路を通す場合に不便を感じることがあります。
- 廃棄時の環境影響:フッ素樹脂は非常に耐久性があり分解が難しいため、廃棄時に環境への影響が懸念されます。適切なリサイクル方法や廃棄処理が必要になることがあります。
- 熱による劣化のリスク:フッ素樹脂は耐熱性に優れていますが、極端に高温な環境ではガスを発生することがあり、これが危険な場合もあります。また、長期間高温にさらされると材料の劣化を早める可能性があります。
PVC(ポリ塩化ビニル)ケーブルは、フッ素樹脂ケーブルと比較するといくつか独自のメリットを持っています。これらのメリットはPVCケーブルが多くの用途で広く使用される理由の一部です。
- コストが低い:PVCは製造コストが比較的低く、これがPVCケーブルをより経済的な選択肢にします。
- 素材の調達が容易:PVCは世界的に広く利用されている素材であり、原料の調達が容易です。これにより、PVCケーブルの生産がスムーズに行われ、需要の変動にも柔軟に対応できます。
- 柔軟性が高い:PVCケーブルは、フッ素樹脂ケーブルに比べて柔軟性が高く、取り扱いや設置が容易です。
- 加工が容易:PVCケーブルはカットや接続が容易で、特別な工具や技術を必要としない場合が多いです。
- 一定の耐薬品性:PVCは一定の耐化学性を持っており、多くの化学物質や油に対して安定しています。
- 燃焼時の特性:PVCケーブルは燃焼時に塩化水素ガスを発生するため、燃焼を抑制する特性がありますが、同時に発生する塩化水素が設備や人に害を及ぼす可能性も考慮する必要があります
LAPP社のPVCクリーンルームケーブル
LAPP社はPVC外皮のクリーンルームケーブルを開発しました。
ÖLFLEX®CLEANROOM FD 8110/8110 C
UNITRONIC®CLEANROOM 8113 MC/8113 C MC
UNITRONIC®CLEANROOM FD 8211 CY TP / 8211 C MC
OLFLEX Cleanroom FD 8110 シリーズ |
UNITRONIC Cleanroom FD 8113 MC シリーズ |
UNITRONIC Cleanroom FD 8211 C(Y) シリーズ (シールド付) |
|
IPA向け粒子排出 | 〇(クラス1) | 〇(クラス1) | 〇(クラス1) |
IPA向けアウトガス排出 | × | × | 〇 |
導体サイズ | 0.5㎟~35㎟ | 0.14㎟、0.25㎟、0.34㎟ | 0.14㎟、0.25㎟、0.34㎟ |
芯数 | 2~18芯 | 2~18芯 | 2~18芯、1~18ペア |
耐燃焼性 | IEC 60332-1-2 | IEC 60332-1-2 | IEC 60332-1-2 |
CEマーク | 有り | 有り | 有り |
アプリケーション | 半導体業界、その他清潔さが求めれれる業界 | ||
外皮 | PVC | PVC | PVC |
絶縁体 | PVC | PVC | 特殊PE |
LAPP社製品は、優れたEMC耐性を実現するためのシールドオプションを提供し、さらに空間と重量を節約するための小型・軽量ケーブルが特徴です。
これらのケーブルは、クリーンルーム用途に最適化されており、組立ラインや生産ライン、さまざまな種類の機械内での使用に適しています。
また、測定、制御、調節回路での使用にも対応しており、幅広いアプリケーションでの利用が可能です。
このような高品質なソリューションにご興味のある方は、ぜひご連絡ください。私たちはお客様のニーズに合わせた最適な製品を提供するために、常に努力を続けています。
また、シールドオプションがあることでEMC耐性を実現し、さらに限られた空間での使用を実現する小型・軽量ケーブルが大きな特徴です。
こういった特長を兼ね備えたうえでクリーンルーム用途に最適化されており、組み立てラインや生産ライン、様々な種類の機械内での使用に適しています。
またクリーンルームだけでなく、測定、制御、調節回路での使用にも対応しており、幅広いアプリケーションでお使いいただけます。
製品の詳しい情報につきましては、下記お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
ケーブルの詳細情報はこちら 資料ダウンロードはこちら |
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